マンガ「踏んだり、蹴ったり、愛したり」9話のネタバレ感想です。
実家に帰ると、毎回いい人はいないのかと聞かれて、嫌気をさしてしまう佳帆。行きつけのバーで佳帆は泰に愚痴を話して、飲みすぎてしまい・・・。

飲みすぎちゃった佳帆、どうなる・・!?
踏んだり、蹴ったり、愛したり【9話】ネタバレあらすじ
佳帆が目を覚ますと、隣には泰の姿がありました。
「またこの人の前でつぶれてしまった」と自分を責めながら、スマホを確認すると、加瀬から「話があるから食事に行かないか」というメッセージが届いています。
仕事終わりに、加瀬と少し特別なお店で食事をすることにした佳帆。
その場で加瀬は、「ずっと憧れていた。ずっと好きだった」と素直に告白しました。
けれど佳帆は、「今は仕事が大事」と、その想いを断るのです。
それでも加瀬は、「仕事だけが理由なら、まだ可能性はあるよね。諦めないから」と前向きな言葉を残しました。
気持ちが整理できないまま歩いていた佳帆は、いつの間にか行きつけのバーの前に。
「帰ろうかな」と迷っていたそのとき、泰の姿を見つけます。
きれいな服装に気づいた泰から「デートだったの?」と尋ねられた佳帆は、「答えたくない」と言うと、その瞬間泰は佳帆に突然キスをしてきて・・・。
踏んだり、蹴ったり、愛したり【9話】感想
今回のエピソードは、胸が締めつけられるほどに切なく、そして感情の揺れがひしひしと伝わってくる展開でした。
誰を想い、誰を選ぶのか――その答えを出せないまま、揺れ動く佳帆の心が、あまりにもリアルで、痛いほど共感できてしまいます。
朝、目を覚ました佳帆の隣には泰がいる。
またこの人の前でつぶれてしまった、という自嘲まじりの独白には、彼に対する甘えと後悔、そしてまだ割り切れない想いがにじんでいて、ただの「酔った勢い」では済ませられない深さを感じました。
そんな中、届いた加瀬からのメッセージ。
加瀬の告白は、静かで、真っ直ぐで、すごく誠意に満ちていました。
「ずっと憧れていた。ずっと好きだった」
この一言に、彼がどれほど佳帆を想っていたかがすべて詰まっていて、読みながら涙が出そうになりました。
それに対して「今は仕事が大事」と断る佳帆の言葉は、自分の中の答えにまだ確信が持てないからこその“正直な嘘”に聞こえてしまって、余計に切なく感じます。
けれど、加瀬はその返答すらも前向きに受け止めて、「諦めない」と笑ってくれる。
なんて優しい人なんだろう、と思うと同時に、その優しさに甘えられない佳帆の揺れる気持ちにも、どうしようもなく共感してしまいます。
その後、気づけば足は行きつけのバーへ向かっていて、無意識のうちに泰を求めていた自分に気づいてしまう佳帆。
佳帆のよそ行きの服装に気づいた泰が、「デートだったの?」と聞いてくるのも、まるで平静を装っているようで、本当は気になって仕方がないのが見え透いていて、その“素直じゃなさ”が愛おしくもあり、もどかしくもあります。
そして「答えたくない」と拒んだ佳帆に、唐突にキスをしてくる泰。
佳帆の気持ちを確かめたいという、泰なりの不器用な告白だったのかもしれません。
でもそれは、佳帆の気持ちを余計に混乱させるものでもあります。
加瀬の誠実な想いと、泰のぶっきらぼうだけど真っ直ぐな行動。
恋愛って、こういう“曖昧なところ”がいちばんつらい。
でもそれこそが、人を本気にさせるのかもしれません。
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